前回オイルと添加剤という物を取り上げると書いておりましたので
取り上げさせて頂きます。
例を挙げながら書いていると極めて長文になりましたので
2部に分けて配信させて頂きます。
『長い能書きは無能の証』と何かの書籍にありましたが
全く持ってその通りだと痛感した次第です。
御時間を頂けましたらお付き合い下さい。

市販の添加剤の派生の件ですが
『前身は産業機器用に開発され・・云々』
『前身は銃身の保護用に・・云々』と言う宣伝文句が
書いてある物を何処かで見た方も居られるかと思います。

産業機械で、パッと思いつくのは工場で凄い音を出して稼働している
巨大プレスや減速機等。常時、超強烈な負荷が掛かる機械だし
そんな機械を正常に稼働させる強力な潤滑性能。
それを車に入れたら摩耗なんてピタッと止まってエンジンは故障知らずだ。
こりゃ凄い。よっしゃ。買いだぜ!

秒速数百mで発射される弾丸の摩擦・発射時の衝撃等から
銃身を守り続ける抜群の保護性能。
エンジンも超高速で回転してあちこち擦れるし点火する時
爆発も起きるから 同じ様な物だろ?違うか?
これを車に入れたら最高だな? じゃあ、ちょっと買いに行くか。

と、ここまでアッサリ企業の思惑に引っかかる方はさすがに少数でしょう。
しかし、疑心暗鬼で店まで出向いても箱を持ってマジマジと商品を見て、
財布の中身に余裕があったら買ってしまうのが人間です。

まぁ、どの製品も車輌用に改良を重ねているので前身の弱点はある程度
改められているのですが、ここで非常に大きな点があるのです。
とにかく添加剤というと燃費向上・摩耗防止・焼き付き防止・
と決まり事のように書いてある物ですが そんな物より重要な物があります。
燃費向上は諸々の条件が影響するのでオマケみたいな物と考えて下さい。

まず、焼き付き防止ですが車が空冷で積載量ギリギリの荷物を積んで
真夏の炎天下で毎分0.5m位の大渋滞に巻き込まれる等の
強烈な条件でなければ焼き付く事などまずありません。

レッドゾーン付近を多用して走り回ったり積載量の3倍位載せて
走行した場合は別ですが普通ならあり得ませんね。

摩耗防止・これも大事なのは確かですが本当に防止出来ているのか?
こればかりは数年、同じ車を乗らないと解りません。
逐一エンジンを分解してゲージで測定する事など非現実的です。

極まれに、実演として回転するテストピース(円筒形の金属)に
圧力ゲージを押さえつけて普通のオイルの場合は
○kgで焼き付いて停止しました。
でもこれを入れると、ほ〜ら。こんなに押しつけても回り続けますよぉ。
摩耗痕もこんなに違うでしょ?添加後の物は殆ど削れていないでしょ?
と言うチムケンテストと言われる物を御覧になった事は無いでしょうか?

あれは弊社でも視覚アピールが絶大だからやってみようか?
と言う話が出たのですが少しでも機械の事を知っている方が見れば
あれは全くエンジンオイルには無縁の話であると解るので止めました。
やったら大恥をかくのは明らかですし苦情も殺到するでしょう。

タネあかしをすると、実験で加えるような圧力が掛かって
焼き付き停止するような現象が現実的には起こり得ないという事です。
相当な圧力が掛かる箇所はエンジン開発段階で解るので
当然対応策が講じられています。

普通に考えて実験のように2〜3分で焼き付き停止するような
箇所がエンジン内に有ればアイドリングで車はパーになります。
そんなアホな話は有りません。
新車をディーラーの駐車場から前の公道に出すまでに車が壊れますよ。
有り得ない状況を作り出して購買意欲を煽る、完全な違法行為です。

でも実際に見てみると、オ〜凄いなぁ。メチャクチャ効果有るなぁ。
欲しいなぁ。となるのだから視覚効果は絶大な物です。

文句ばかり言いやがって。じゃあ何が大事なんだ?と言われれば
何度かメルマガでも御説明していると思いますが劣化防止・清浄分散性で
エンジンオイルにとってこれが極めて重要な性能です。
何故ならエンジンオイルは燃焼による不純物・生成物の混入が
他の機械や機構とは比較出来ない程桁違いに多いからです。

特に後入れ添加剤の場合この性能に特化させる事も一つの策です。
何故なら、前述した焼き付き防止・摩耗防止はオイルでカバー出来るからです。
清浄分散も無論オイルに含まれる要素ですが
それだけではカバーしきれないのが現状です。
弊社の製品を使った殆どのモニターの方が
汚れたオイル排出後調子が良くなった。事からも明らかでしょう。

ただ、これも大きな問題が有るのです。
それは性能云々問題より
販売元とユーザーとの信頼関係が大きく関与するからです。

さて、コメディー番組のような下手な区切りですが
第一部はここまでとさせて頂きます。