さてまたしてもオイルコソコソ話をお届けしようと思います。
例によって長文ですのでお気に召さない方は処分して下さい。
私の文体の特徴としてお急ぎの方は
最終段落だけ読めば概要は解るようになっています。

それに至る根拠という物が長くなるのですが
お暇な方はお付き合い頂けると恐縮です。

さて、前回のオイル交換云々という件で
今回は距離についてお話しようと思いますが
これも非常に定義し難い問題です。

車が壊れても良いと言うので有れば
オイルなど替えなくても不足分を継ぎ足していけば
不動車になるまで相当な時間が掛かりますが
そんな方は極めて少数でしょう。

車の性能が低下して元に戻らないと言うのは困るが
その分岐点はどの位なの?と言うのがこの問題の主旨なのですが
これが例によって使用環境・オイルの基本性能に左右されるので
これだけは走れますよ。
と断言が出来ないのは毎度の事ですがお許し下さい。

有るユーザーの方から『私の車の説明書には
オイル交換は15000km毎
と有りますが問題無いでしょうか?』と言うメールを頂きました。

問題が有るか否かというのはユーザーの価値観に左右されます。
吹け・馬力の低下・異音等を気にしない方で有れば問題無いでしょうし
性能の低下を気にする方には当然問題が生じます。

まず、弊社のモニターレポートに『ドロドロのオイルが出てきた・・』
と言う言葉をよく眼にすると思います。
モニターの方は別に異常な長期交換サイクルや
激安オイルばかり使っている方ではなく
大体2〜4000kmで交換した季節に応じて粘度や銘柄等を吟味して
購入して居られる方ばかりでオイル・車に対して無頓着とは
言い難い方ばかりです。

それでもフラッシングコートを使うとドロドロのオイルが出てビックリする。
今までは特に問題無い程度のオイルが出ていたのでエンジン内が
汚れているとは思わなかったのでビックリした。と言う物です
これはオイルが蓄積された汚れを落としていないと言う事になります。
そして、フラッシングコート排出後の性能の向上を体感している方が
多い事もお気づきだと思います。

フラッシングコートの特殊皮膜形成の作用もありますが
エンジン内の汚れを完全に落とす事が性能向上に非常に効果的なのです。

汚れが堆積すると当然性能に悪影響を及ぼしてくる。
激安オイルなら仕方無いが高いオイルなのに汚れが落ちない。
こりゃ一体どうなってるんだ?何の為に高いオイルを入れているんだ?
もっとバンバン汚れを落として車の性能を引き出せよ。と言うのが
普通の考え方でしょう。
でも、バンバン落としてもそれを受ける受け皿がなければオイルは
当たり前ですがすぐに劣化して駄目になります。

スラッジ・カーボン等は熔解して分散させる必要が有るのですが
受け皿を用意せずにバンバン汚れを落とせばオイルの劣化は早くなります。
しかし汚れを落とさなければ車の性能は下がる一方です。
でもオイルの劣化は車の性能の劣化にも繋がります。何とも厄介な話です。
汚れを落とすには相応の受け皿が必要なのです。
その清浄成分と受け皿のバランスが取れていないと意味が無いと言えます。

ただ、フラッシングコートと普通のオイルを比べるのはナンセンスと言えます。
何故ならフラッシングコートは汚れを分散させて劣化したオイルを
短期間で排出する事を前提にしているので強力な清浄性を発揮させる事が可能です。
普通のオイルでこんな事をするとたちまちオイル交換せねば・・。となります。

受け皿云々という問題で引き合いに出すのはマッハ1が適当ですが
これもオイルにとって分が悪い勝負と言わざるを得ません。
その件については次の機会に『オイルと添加剤』と言う事で御説明させて頂きます。

まぁそれはさておき、汚れが堆積しているからフラッシングコートで
ドロドロになって汚れが出てくる事に何の間違いもないのですが
問題はオイルを3000kmほどで交換しているのに
汚れが堆積していくという点です。

早い話、3000kmでも汚れが堆積している事から清浄作用は弱まっていると
言うのは明確でしょう。ただし、それが即問題かと言えばそうとも言えません。
オイル交換によって有る程度汚れは落とせますが落とせなかった汚れが堆積して
出力低下に繋がるのです。当然、長期間・長距離間無交換で使用する程
清浄成分を含めあらゆる性能は下がり、汚れは堆積しやすくなります。
至極当たり前の話ですが、此処で落とし穴的な物が有ります。
オイルの劣化は油中の有効成分の組成変化が主で
ベースオイル自体はそれほど劣化しないのです。
これも追々お話しします。

さて結論と言うのも語弊があると思いますが
前述のオイルが性能を保持出来る期間という物では
結露による水分混入の為越冬したら交換時期と言う明確な答えがありましたが
今回は各ユーザーの姿勢に左右されるので何とも言い難いですが
多少の性能低下なんて別に良いよ。と言う方なら1万km程度、
いや、俺は多少の低下も嫌だ。と言う方は3〜4000km交換で定期的な
フラッシングというのが無難な処でしょうか・・。
どっちの状況でもその位なら車本来の性能低下も抑えられ(当然短期間の方が良い)
フラッシング等によって性能の回復を計る事も出来るでしょう。 
出来ますよ。と明言出来ない内容だけに極めて曖昧な結論ですが
何卒お許し下さいませ。

最後にこのコソコソ話を配信した後に毎回読者の皆様から
激励・質問等のメールを頂いており非常に感謝しております。
これからも皆様のお役に立つような情報を提供したいと
思いますので普段疑問に思っている事などがありましたら
遠慮無くメール下さい。