それでは
前回のバランス云々の第2部をお届けします。

前回はオイルのバランスとは何ぞや?と言う事を
お伝えしました。

今回は、皆様も聞いた事があると思いますが
ある成分だけ後から追加すると他の性能に影響を与える。
(オイル本来の性能的バランスが崩れる)と言う意見があります。
これについてお話しさせて頂きます。

これは 全く御指摘の通りで的を射た意見です。

しかし、個人でも解る事を一部のメーカーは
平気で影響を及ぼす製品を市場に投入しています。
その手のメーカーは判を押したように
『それを添加する事に因って性能向上が
出来るのでオイル交換する時期までは問題無いでしょう。』
と応えるのです。決して断言しないのが大人的ですね。

それの投与により一部の性能は向上するけど逆に下がる性能もある訳で
担当者が問題無い。と断言しないのはこれを考慮しているのです。

一度二度なら問題無いかも知れませんが
多くの添加剤は単体だと効果発揮後、劣化促進物質に変質します。
(↑此処は重要ですよ。)

単一成分だと作用後、劣化促進成分等に変化して
色々な問題が起こるので
それを防止・抑制する為に中和剤等が必要なのですが
それが極端に少ない・全く含有されない製品を後から入れると
中和許容量を超えて発生した劣化促進物質は弊害を及ぼします。
これが俗に言うバランスが崩れるという物です。

特に添加直後何らかの効果が認められた製品は贔屓にされて
その後も継続使用される事が多くその傾向は顕著になり
良かれと思って入れていたのに実は・・・。となります。

だから添加剤メーカーにとって調合の妙という物が全てであり
これに持てる技術の粋を集結させるのです。
勿論ユーザーが使用しているオイルは千差万別で
このオイルには使えるけど、これに入れては駄目。
では話になりませんし、この点も考慮しなければなりません。
頂いた質問で『オイル添加剤は何故どんなオイルにも添加可能なのか?
オイルの高級低級の差は無いのか?』と言う質問がありましたので
この点はまた次号以降でお話しします。

悪質な物になると、只オイルの粘度を低下させて
出力の安易な向上を計る物があります。
粘度の低下は確かに抵抗を下げて出力・吹けの
向上をもたらしますが油膜の強度が低下してしまいます。
それを油性向上剤(粘度に頼らず強固な油膜を形成させる成分)で
補っていれば問題ないのですがそれを含有していない・或いは
含有量が少なすぎる物もあり、そうなると各部の摩耗は進行して
エンジンにダメージを与え続ける事になります。

さて、どれがバランスを崩す製品か?と言う話になりますが
単一成分だけをPRしている物は控えた用が良いです。
例えば××成分○○配合。だけしか書いてない物ですね。
複合的な物はPRしたい成分を全部書いていては箱が文字だらけになって
逆にPR出来なくなります。(文字だらけの箱もPR力は高そうだが)
競合他社も有るので成分を明かせない事情も有りますが
その場合は値段で判断して下さい。

特にフラッシング剤のようにすぐに排出する物では無く
効果が継続して発揮されるような物で安物はまず眉唾です。
単一成分で長期間効果を持続させる事は極めて難しく
複合的成分・複数成分を入れると必ず値段は上がります。
逆に粗悪品なのに高価な物も有るので注意が必要です。
このあたりは次号以降でお話しします。

後は成分自体が中和剤で中和出来ない物が有ります。これも要注意です。
悪者の代名詞の様に出てきますが
PTFEは科学的に極めて不活性率が高く
底部に堆積して容易にスラッジ化しますがその性質上、
中和剤で中和する事は大変困難です。(殆ど無理)
スラッジというのは簡単に説明すると
不純物が沈殿して出来るオイル混じりのヘドロです。
PTFEに関しては次号以降にメルマガで取り上げます。

次号、次号とやたらと先延ばしにしている点が多くて
恐縮ですがどれも一気に説明出来ない程長文化する物で
申し訳有りませんがお許し下さい。

以上の事を御留意頂きながら皆様も、ネット上に乱立する
オイル添加剤系のサイトを御覧になると
何か面白い発見が出来るかも知れませんよ。