今回は眉唾物を掴まない為に。と言う題で進めさせて頂きます。
眉唾物。と言う不名誉な言葉が代名詞に成り得るのも
オイル添加剤の特徴と言えば特徴です。
非常に長くなったので2部に分けさせて頂きます。
恐れ入りますが御了承下さい。

テーマを見る限り、今まで成分云々の話を続けてきた流れと
一見無関係に思われるかもしれませんが
最近、私宛に来るメールでも、メーカーのPRを
鵜呑みにして眉唾物を掴まされた。と言う方からの
メールが多く、それを踏まえて
弊社サイトでも新たに冒頭のコラムを1つ追加した訳ですが
まず、何にせよ基本的な知識さえ持ち合わせれば
眉唾物を掴む可能性も低くなる訳です。

本当は成分云々の項の前に配信するべき内容なのですが
私の勝手な憶測で、この程度の内容は添加剤に興味を持つ
ユーザーにとっては既知だろうと思っていたのですが、
意外にも、車輌用オイルには予め添加剤が含まれており
性能劣化の主な原因はベースオイルではなく
含有される添加剤の変性によって起こる要因が大きい。
と言う事を知らない方が多い事が解りましたので
急遽配信する事にしました。

巷では後入れ添加剤として添加剤成分だけを
売っていますが、当然、何でも入れれば良い。
と言う簡単な物では無いのは周知の事実ですね。

私宛のメールにも○と○を混ぜて使用して良いですか?
と言う内容のメールが来ますが、
添加剤の成分には他の成分と干渉して
性能を左右される成分も沢山あります。

商品自体が化学製品で有り、当サイトのコラムの内容と
重複しますが、今後オイル、添加剤に対する技術的動向は
環境問題の件も絡み、省燃費性能・排ガス規制対策への適合性・
廃棄物を低減する為のロングドレイン性能等が要求され、
益々オイル・添加剤に対する技術的要望は厳しくなっています。

これをクリアする為に、世界中の専門家が日々研究を重ね
先端技術を駆使して、日夜開発を行っている訳ですから
失礼極まりない表現で恐縮ですが一般ユーザーが
製品の作用原理等を完全に把握・理解する事が
なかなか難しい領域になっています、

現在の開発レベルでは○と○を混ぜれば効果を発揮する。
と言う次元では無く、一つの成分でマルチ的な要素を補う為に
作用を求められる状況下になれば、その特性を発揮する為に
成分の組成が変化し、その状況が解決されれば
また違う組成に変化する。と言うような
成分も多いのですが、その作用原理は?と問われると
聴く側にも相応の科学的知識が必要になってきます。

この説明を誰にでも解るように解説するのが非常に大変で
当メルマガもそれを目指しているのですが、
なかなか、実現しているとは言い難く、四苦八苦しております。

ですので、今回は成分云々の解説では無く、見方を変えて
『その道のプロが選んだ成分と、選別から漏れた成分の見分け方』
と言う観点でお話しを進めさせて頂きます。
これならば、極端な話、作用原理云々の小難しい話が解らなくても
『この成分は効くと言う裏付けがプロにより立証されている』
と言うお墨付きが付いた確かな物を選べば
その成分自体の効能に関しては間違い無いという事にも成ります。

私は普段、営業に廻っており、顧客先で
他社の営業が持ってきた添加剤で○と言う奴、
もしくは、量販店で見た○という添加剤だけど
あれってどうなの?お宅ばかり儲けさせるのは
何となく腹立つから浮気しようかと思ってるんだよ。
と言われることがあります。

確かに巷には溢れんばかりの添加剤があり、
多量の車輌を保有する会社には当然同業他社が参入してきます。

ユーザーにとって、対価に見合う価値の有る物が良い製品。
と言う概念は大手でも個人でも同じですが
大手と個人で違う処は対価以上の何らかの還元を求める点でしょうか。
対価=効能。で満足するのは個人レベルの話であり
企業は対価<効能の差を重要視する訳です。
個人でもその点を求めることに変わりはありませんが
やはり所有台数が1〜2台の話と数百台とでは桁が違います。

オイル添加剤?あんな物買うなんて馬鹿じゃないの?
と聞く耳を持たない方も確かに居られますし
実際その批判は我々にとって真意に受け止めるべき批判です。
ただ、頭から否定する前にエンジンオイルはベースオイルと
添加剤から成り立っていると言う事を理解して頂く必要があります。

(メルマガ読者の方には)至極当たり前に感じる事なのですが
オイルって最初から添加剤入ってるの?へ〜。と言う方が
結構居られる事も事実です。

この事を御理解頂いた上で対価に見合う効果のある
オイル添加剤とは何か?という説明に入れるのです。

成分云々を考慮せずに眉唾物を掴まないようにする行為自体が
無茶な話ですが、やはり、餅は餅屋と言うように
相応の実績を持つ成分が眉唾物である訳が無いのは道理ですから、
聞いた事がない成分を含む製品は静観する事が一番大切な事です。

しかし、聞いた事がある成分だから何でも投与すれば
間違い無く効果が発揮される。と言う物でもありません。

添加剤の成分の中には含有量が少しで事足りる物もあり、
それを過剰に入れても、当然ですが使われずに
次期オイル交換時に排出されるだけと言う結果になります。

また、入れると他の成分に影響を及ぼし
良くも悪くもオイルとしての性能を左右させる物があります。

一例として有機モリブデンのMoDTCですが
市販オイルにも含まれているZnDTP
(ジアルキルジチオリン酸亜鉛、詳細は次号以降のメルマガで説明)
と併用すると摩擦・摩耗低減作用が相乗効果により
高まる作用があるのですがMoDTCに金属系清浄剤を投与すると
摩擦低減効果を妨げる傾向を示します。
(この様な因果関係も次号以降で説明します。)

この辺も考慮すると、やはり成分云々の話は避けて通れない訳ですが、
添加剤に使用される成分全てを把握する事など
一般ユーザーには縁遠い話で現実的ではありません。

しかし、ユーザーとして眉唾物を掴むと腹が立つのは当然です。
でも、成分云々の小難しい勉強は面倒だから嫌だ。
と言うのが正直な心境だと思います。

小難しい話は抜きにして、お気軽・お手軽・
しかも確かな効果の有る物は何だ?

と言う御質問がその後に続けば、
『その言葉をお待ちしておりました。』弊社の製品で・・・。
と普段なら間髪入れずに営業活動に入らせて頂くのですが
このメルマガはそういう趣旨では無い為、涙を呑んで、
続きは次回で御説明させて頂きます。