皆様Lostwordの石原です。
今回もダラダラとオイル・添加剤について
の考察をお届けします。


今まで成分云々について言及してきた訳ですが
読者の方から
『オイル添加剤に成分表示が無いのは何故だ?』
と言うメールを戴きました。
今回はこの件についてお話しさせて頂きます。
長くなったので2部構成でお届けさせて戴きます。

最初に、この件は(成分表示について)
弊社だけの問題では無く
添加剤製造・販売に関わる全ての業者に関係する事柄ですが
私が他社製品について云々と論じた処で
波風こそ立てども、早急に現状が改善される事は
残念ながらありませんので、あくまでも
私及び弊社の考察としてお話しさせて頂きます。

それでは本題に入らせて頂きます。

今更ですが、成分の効能の話をした処で
自分の使っている製品に含有されていなければ
全く無意味な訳です。
しかし、殆どの製品には成分表示等は無く
有ったとしても、摩擦低減剤・劣化防止剤等と
曖昧な表示しか有りません。
(弊社製品も成分表示は無い)

摩擦を下げるのが目的で入れるのだから摩擦低減剤が
含有されているのは先刻承知な訳で、知りたい事は
その摩擦低減剤が何という成分で、有効に作用する
量が入っているのか?と言う事でしょう。

添加剤にはその成分がどの程度入っているのか?
或いは何が入っているのか?
と言う表示義務が有りません。

その為、新成分○○。と既存の成分の名を
適当にでっち上げたり
成分が0.001%でも入っていれば
含有していると明記できる訳です。

当たり前ですがそんな少量で効能を発揮する物はありません。

医薬品等では成分表記の処に『力価として○○』という
表記があり、これはその成分が一定の生物学的作用を示す量の
事で何錠あたりどの位成分が入っているという表記です。

添加剤もオイルや車輌に対して科学的な反応を示す訳ですので
この『力価』に相当する表記が必要と言えるかもしれません。
しかし、オイル添加剤は生体に使用する物では無い為、
このような厳しい表示規制が無いのが現状です。

弊社のテストでも『有機モリブデン添加剤』と銘打ってある物
を調べた際、記載されている効能を発揮し得ない程
少ない含有量の『有機モリブデン添加剤』が有りました。
只のオイルにも有機モリブデンは含まれている訳で
これをオイルと言うか添加剤と言うかは
作っているメーカーの勝手と言う訳です。

オイルとして売れば、1Lで2百円の物でも
添加剤ならば安価な物でも200ccで
1000円近くの価格を付けられます。
同じ物でも大きな格差が生まれる訳です。

まぁ、そんな物が売られているから
その御陰でオイル添加剤自体が
蔑まれた目で見られる訳です。

私も業者の端くれですので常に営業的見地という
物を考慮して行動する事が求められる訳ですが
ユーザー的見地からも営業的見地からも
有る程度は成分表示をしても良いと思っております。

ユーザー的見地からの成分表示の意義は
今更言うに及ばずですが、営業的見地からしても
昨今のオイル・添加剤は
彼方此方からの厳しい要求をクリアする為に
既存の成分に独自改良を施し最適化する事が必須で
第三者が有効な成分を掻き集めて闇雲に混ぜ合わせて
コピー商品を作り上げようと思っても
同じ効能を示す製品を完成させる事が不可能だったり
例え出来たとしても本家本元の製品より原価が高くなり、
対抗商品として成立し得ないと言う事に成る訳です。

しかし、前号でも申した通り
最重要機密事項に相当する箇所が有るのも事実ですので
それを公表するという事は企業として出来る訳もなく
常日頃から憎くて仕方ないクズ業者共の目も有る訳で
何でわざわざ金と労力を掛けた
研究結果をクズ共に提供せねばならんのか?と成る訳です。

クズ業者とは言葉が悪いですがロクに開発力も無い為に
眉唾物を売りつけユーザーを混乱させる文字通りクズ共であり
其奴らの御陰でオイル添加剤自体が偏見の目で見られ、
散々冷や飯を食わされている身分としては
奴らを叩き潰す事には必死になるが何故援助を?
血迷っても援助等する相手ではないぞ。
と言う事になる訳です。

しかし、それは業者間の問題であり、
ユーザーには無関係な話で
結局、何が入っているか解らない物を買えと言うのか?
そんな物誰が買うかよ。と相成るわけです。

その為、大体のメーカーは主成分は○○で・・とか
有効成分の横に○系等が書いてある物が増えてきました。

弊社でもメルマガで弊社製品に亜鉛が入っていて
それの長所と欠点は・・云々と解説させて頂いた訳です。

ただ、主成分という物は一番多く入っている物で
コレは重要ではあるが一番重要か?と言うと
そうでは無く、実は一番重要な物は
『極微量しか含有されていないが
それが無ければ、その製品の示す性能が発揮されない物』です。

この手の成分は、主成分が持つ弊害や欠点を
最小限に抑える役目を果たす物が多く
正に無くては成らない物です。

コレが一番ネックで、何処の会社でも、この成分や
コレに由来する物が、社外に公表される事はありません。

この辺が公表出来ない内容になる訳ですが
ユーザーからは、秘密=怪しい物と解釈される事が多く
君子危うきに近寄らずと言うように
良く解らない物を入れる危険を冒すのは嫌だ。と成ります。


まぁ、全く持ってその通りなのですが、
怪しい成分=車に対して有害。と言う結論は早計です。

何故なら、その秘密の成分という物は先程も書いたように
極少量しか含有されない事が多く、
極少量で車に害を与えるという事は
それ自体が劇的な反応を示す成分と言う事になります。

そんな劇的な反応を示す物はライバル他社の成分分析で
簡単に検出されるので極秘もクソもありませんし
幾ら有益でも、そんな少量で劇的な反応を示す
物は危険極まりないので入れられません。

劇的な反応を示すという事は、その作用の度合いが
使用環境に大きく左右される訳ですが
車という物は 使用状況・車種・使用オイル・
オイルの劣化具合・現在も継続・或いは以前使われていた
添加剤の残存成分の有無等、千差万別です。

そのような中に、劇的に反応性が高い物質を投入すれば
何が起こるか、全く解りません。

万が一、それが原因で高速道路を走行中にエンジンが焼け付き
急停車して後続車輌を巻き込む大事故になった場合
誰がその責を負うのか?と言う事も考える必要があります。

物的損壊なら金銭的被害で済みますが
車には必ず人が乗っている訳で、事故が起こると
人命が危機に晒される危険が出てきます。

市販されているカー用品を投入しただけで
多大な人を巻き込む惨事になり、警察の事情聴取の場で
『あんたが変な物入れるから、あんな惨事になったんだよ』
と、責められても運転手は為す術も無いし納得も出来ません。

作ったメーカーが責を負うのも当然ですが
それこそ、そんな物を市場に投入する業者ですから
あの手この手で言い逃れをする筈です。
どちらにしても誰も喜ぶ結果では有りませんね。

それと、極めて当然の話ですが、
企業として身元を明かして販売しているので
変な物を顧客に提供して何らかの問題が発生すれば
瞬く間にその顧客の関連する企業等へ情報が流れ
企業として再起不能な損害を被る事になります。

この辺が個人販売向け製品と業務用製品との
大きな違いで、それが性能に直結すると
言っても過言では無いでしょう。

しかし、最近ではネットなどで個人が簡単に情報を
発信することが出来る時代ですので
昔のように何も知らないド素人に眉唾物を売りつけて
そのまま売り逃げして左団扇・・。と言う事は
不可能に成りつつあります。

更に、同じ成分でも先ほど申したように
独自に改良を加え、最適化する訳ですので
製造プロセスが極秘という事も有ります。

この辺は次回でお伝えさせて頂こうと思います。