皆様Lostwordの石原です。
今回もダラダラとオイル・添加剤について
の考察をお届けします。

前回に引き続きオイル添加剤の
成分表示についてお話しさせて頂きます。

前回の話を要約して書こうと思ったのですが
全然要約出来ず、同じ位の文章量になってしまったので
省略させて戴きます。
詳細は弊社サイトの『オイル添加剤四方山話』を
御参照下さい。

さて、前号では、最適化という文字が出てきました。
最適化とは、
『ある目的に対し最も適切な計画を立て設計すること』
と辞書に有ります。

この『ある目的』とは、オイル添加剤に関して言えば
従来品と比較して、安価で・少量で、従来品と同等または
それ以上の性能を発揮する物の開発に他なりません。

既存の成分に独自改良を加えて
最適化する事で、より少ない量で従来と
同等の性能を付与させたり、性能はそのままで、
コストダウンを計ったりする事が可能です。

この最適化さえ、しっかり出来れば
弊社製品の含有成分は○と○と○が○○%含有されています。
と書ける訳です。

其処まで詳細に書いても、含有成分について一般ユーザーが
認知しているのか?と言う疑問と共に
現実問題として其処まで明記すると他社の目も有り
利より弊害の方が大きくなりそうですが
原材料を知った所で、同じ価格で同じ性能を保って
作る事は難しいだろうと言う意思表示が出来ます。

『同じ物をウチより安く出来るならやってみろ!』
と言う訳ですね。

それほど、製造過程が大事だと言う事で
製造過程に企業秘密事項が含まれている
事は別段珍しい事では有りません。

原材料は公表するが製造過程は秘密。
この例はビールが解り易いと思いますので例に挙げますと

麦100% 副原料一切無し。
天然水だけで作りました。
と書いたビールが実際にあります。

原材料 麦芽・ホップ 以上です。

じゃあ、同業他社も同材料だけで
全く同じビールが造れるのか?

と言えば、作れない事も無いけど
作った所で所詮バッタ物であり
本家を追い越す算段も無いのに、わざわざバッタ物を
作る為に費用と時間を投じる位なら別路線を探す方が得策だ。
と、相成る訳です。

まして、『○○と中身は全く同じですが此方の方が・・』
と言う比較表示を生産者が行うと間違い無く大問題になります。

ただ、ビールと添加剤が大きく違う所はユーザーが
その違いを認識する事が難しいという事です。

ビールの場合、違う銘柄を2本並べて飲み比べれば
その違いを大抵解ると思いますが、添加剤は車に使用する為
宣伝等でその製品に対する先入観が入っていると
その判断に影響が現れます。

此処に眉唾物の入り込む余地が有り
構成成分は同じだけど本家より含有量が少ないと言う
正にバッタ物が出てきます。

おまけに前号でも書いたように添加剤には
医薬品表示の力価に相当する表示義務がありません。

雀の涙程でも含有していれば、○○含有と明記しても
誇大表示では無く正当な物として扱われる訳です。

そして、眉唾物の命であり、当然一番力を注ぐ広告の
宣伝文にもお決まりの『エンジン内保護』と言う決まり文句が
使われる訳ですが、その効果が何時まで続くのか?
どの程度の負荷に対応出来るのか?その負荷がエンジン内で
起こりうる負荷なのか?と言う肝心要の処が、
実に巧みに隠蔽された宣伝文になりますが
本家より安いし、似たような製品なら安い方が良いな。
と言うユーザーの思考とピッタリ一致して御買上と相成ります。

しかし、所詮はバッタ物ですので本家と対等の性能など
最初から在る訳も無く、当然使用後の満足度も無く、
もう一度、本家本元を買う気力も余分な金も無く
無い無いづくしで肩透かしを喰らって
怒りだけが残るお馴染みの結末になります。

自分の車に投入するこの製品には一体、何が入っているのか?
と言う極めて自然な疑問とその回答を得る為に
宣伝文句を鵜呑みにせず、自分で調べる姿勢という物は
極めて重要であり、製造側もユーザーに対して、
隠し立てをする事は全く理に反する事ですが
同業他社も居る訳ですので
『絶対に内緒にして頂けるならば、
コッソリ貴方だけに教えますよ。実は・・』
と言う対応を取る事も出来ません。

他社製品の成分はボロクソに叩きまくるのに
自社製品の成分はダンマリかよ!見上げた根性だな?
と怒鳴られそうですが、公共性が高い場で、
全ての含有成分及び作用原理を全て明らかにすると
当然商売に影響が出てくる為、誠に申し訳ないのですが
この辺は平に御勘弁願う次第でございます。


さて、昨今の自動車が目を見張る勢いで進化している事は
皆さんも御承知の通りです。

一般車両に導入されているCVT等を例に取りますと
CVT機構自体は車の発明と共に考案されていた物で
実に100年以上前から有る技術なのですが
何故、実用化するのに100年以上の歳月を要したのか?

この辺の理由を絡めながら
次号以降では、進化したエンジンに入れても良い添加剤と
入れてはいけない添加剤の話をさせて戴きます。