今回は燃料添加剤についてお話しさせて頂きます。
長くなったので二部構成でお届けします。

今まで、オイル添加剤について語ってきた訳ですが
市場には燃料添加剤も広く売られています。

私宛に寄せられたメールを見ていると
燃料添加剤の件に触れている物があり
市販品には激烈な性能向上が図れそうな
PR文字が躍り、買い手の心理を激しく刺激するが
添加してハッキリ効果の程が解るのはニトロメタン位で
後はもう・・フニャフニャと腰砕けになってしまうような
物ばかりで辟易します。と言う内容の
メールがありました。

ニトロメタンって何だ?と言う方の為に簡単に説明しますと
ニトロメタンとは消防法で危険物に該当する物で
第五類 第二種自己反応性物質 ニトロ化合物 危険等級2となります。
こんな物はどうでも良いですが
「火気厳禁」,「衝撃注意」で、爆発もします。

こんなのを聞くとワクワクする人と無闇に怖がる人がいますが
何でも素性を把握する事が出来れば大した問題にはなりません。

まぁ、早い話が、雑な扱いをするとボカンするし
ボカンしたら面倒だから取り扱いに気をつけろよ。
と消防法で決められている物です。 

ちなみに一応、爆薬や火薬は雷管等爆発させる
キッカケを作らないとボカンはしません。
爆薬や火薬に普通に火をつけてもメラメラと
燃えるだけで爆発はしません。(例外有り)

火薬も爆薬も外部から酸素を供給しなくても
結合している酸化物が酸化を促して酸化反応(燃焼)
を促進する点が普通の可燃物とは大きく異なります。

酸素の供給を止めると消える物が普通の燃焼ですが
火薬類は内部に酸化を促す成分を含有する為
外部の酸素供給に関係なく反応が進みます。
此処が非常に重要です。

極めて少ない酸素で燃焼が可能という事は
本来燃焼に必要な空気を入れるスペースに燃料を
余計に投入する事が出来るという事です。

100ccの容積中に20ccの空気と
80ccの燃料を入れて燃やす場合と
3ccの空気と97ccの燃料を入れて
燃やす場合ではどちらが優れた出力が
出るか解りますよね。

普通より多量に燃料を投入して一気に燃焼させると
当然出力が増大します。
勿論、エンジンが耐えられる事が前提ですが
これがニトロをエンジンに使う利点です。


ニトロメタンの特徴として、それ自身が燃焼により酸素を放出し
(最初の燃焼には外部からの酸素供給が必要)
それが他のニトロや燃料の燃焼に使われ更に酸素を
放出・供給すると言う連鎖的な反応によって
劇的に燃焼を促進させる性質を持つので小さいエンジンでも
高出力を要求されるラジコン飛行機等の燃料や
最大9258cc・8気筒OHV等の特殊なエンジンを搭載している
ドラッグレース用車両に使われる優れた助燃剤です。
(助燃剤と言うより火薬)

火薬とは定義的に推進力を得る為の物
対して爆薬とは破壊・発破作用を得る為の物らしいです。

しかし、一般の車に使って良いかと言うと
何処の車両メーカーもニトロメタン添加について
推奨も認可もしていないので、使うのは勝手だが
車が壊れても知りませんよ。と言う物です。

その方曰く、中低速は如実にパワーが上がるが
高速域では以前よりパワーがダウンするそうです。

勿論、添加率等に依って変わるそうですが
全域に於いて目を見張るようなパワーアップ!
と言うような夢物語はなかなか無いようです。

で、ニトロは何処で買えるんだ?と言う話になりますが
前述したようにラジコン用燃料として売られています。

飛行機やボート用の燃料として売られている物には
燃料用アルコール・ニトロメタン・潤滑用オイル
等が含有されています。

燃料アルコール・ニトロメタンはともかく
オイルが含まれているのをガソリンタンクに
投入して大丈夫か?と言う点が気になる方も
居られると思いますが、 メールを頂いた方曰く
0.1%前後の添加率で効果があると言う事で
後は0.05%程度増減をして調子を見るそうです。

添加率が非常に少ないのは
取り扱いがシビアだと言う事です。
火薬の一種ですので
適当に入れる等という愚行は控えて下さい。

無闇に多量に入れたりニトロメタンの濃度が高い物を
投入するとエンジンを切っても勝手にエンジンが回り続けたり
高回転域のパワーダウンが如実に現れて、
実用性に欠けるそうです。

まぁ、本来入れるべき物ではない物を入れる時点で
全ての責任は添加する者にあり、車が大丈夫かと
気にする方は入れない方が良いという物ですね。

ニトロの効果は解ったが
じゃあ、他の燃料添加剤はクズなのか?
と言うとそういう訳ではありません。

この辺を次号でお伝え致します。