さて、前回で燃費云々についてお話をさせて戴きました。

まず、前回の話で少し触れましたが
イオン系の省燃費グッズでもコンピュータ等で完全な管理の
元に使用すれば効果が明確に数値として出ると書きました。

しかし、自動車は人間が運転する物でその時の心理状態で
アクセルの開閉に違いが出るのは当然という物です。
勿論アクセル開閉率は直接燃費に響く為大変重要な点です。
雑なアクセルワークは燃費を著しく悪化させますが
ロボットじゃないので燃費一辺倒で運転出来る訳もありません。

車を走らせる為には様々な抵抗が生じます。
空気抵抗・転がり抵抗・勾配抵抗・加速抵抗等が有りますが
運転手の個人差が生じるのは加速抵抗だけで後は誰が乗ろうと同じです。
加速抵抗というのは、当然急発進や急加速をすると大きくなり
ノロノロと加速すると小さくなり、重量が増せば大きくなります。

同じ車でも運転手が変われば当然燃費が大きく変わるのは周知の事実で、
加速の醍醐味があるから、この車を維持してるんだよ!と言う方も当然
居られますし、日頃は燃費運転を心掛けていても、時々は
アクセルを踏み込んで気分良く流したいという方も多いでしょう。

燃費重視で完全に加速性能まで自動制御してしまうと
運転の醍醐味が大きく半減するどころかストレスが堪って仕方有りません。

ノロノロと前を走る車を追い越す為にアクセルを踏んでも
素早い反応は無く、一拍子置いてからジワジワと加速していく。
追い越せるか否か微妙な速度になったら前の信号が赤になって結局抜けずじまい・・。
と言う事が起こり得る訳で考えただけでイライラしそうですね。

私の顧客の大学教授の話ですが車という物は業務以外で使う場合は
本来贅沢品だそうで勿論それに使う燃料も贅沢品と言う事になります。

だから、本来なら価格が高騰しようと半分近くが税金でその用途が
道路財源と無関係の使われ方をしている事に憤りを感じようとも
それを先刻承知で燃料を買うのが車を所有する人間の正しい姿勢で
国の考えもその考えが根底にあるようで
燃料が高くて文句があるなら別に買わなくても良いよ。
酒やタバコと同じで高い税金掛けてあるけど欲しいならどうぞ。
と言う思考の基に高率な税金が掛けられていると言う話です。

おまけに酒もタバコも常習性があるので止めるのに苦痛を伴う。
車を買って燃料代が勿体ないから給油しないと言うのは本末転倒だから
文句を言いながらも燃料を入れる。そんな訳で
黙っていても勝手に売れるから税率下げる必要も無い。と言う話です。
実際、燃料が高騰しているから燃料に掛かる税率を引き下げます。
と言う話は全く聞いた事が無いでしょう。大した商売で羨ましい限りです。

その教授のデータを見ると今の燃料の価格を考慮すると
過疎地等生活に車が必須。と言う状況下でなければ
タクシーで公共機関の乗り場まで向かって目的地付近の駅等から
目的地までタクシーで行く方が車を維持するより統計的に安く上がるそうです。

ですので、本来であれば車を所有している人間が
燃費が云々と言う事が変だと言う事らしいです。

そうは言っても湯水の如く燃料を浪費して、ヘラヘラ笑って居られるか?
と言われれば、そんな事は全く無く安いに越した事はありません。
使う時は致し方無いが無意味に盛大に浪費されては堪らないと言うのが
偽り無い心情ではないでしょうか?

この、『致し方なく使う分は容認せざるを得ないが四六時中盛大に使われては困る』
と言うワガママ極まりない話を実現させた技術がターボに代表される
過給器と言われる物です。

過給器=燃費悪化と思われがちですがそれは間違いです。
この辺を次号でお話させて頂きます。