さて、前回に引き続きターボ等過給器の話をさせていただきます。
ターボに代表される過給器はエンジンに強引に混合気を送り込み
燃焼させる事で排気量以上の出力を得る為の機構です。

何時の世にも自身の要求に大変素直に従う方が居られる物で
普段はノロノロで構わないが、アクセルを空けた瞬間、
背中を蹴飛ばされるような強烈な加速が欲しいんだけどそんな車有る?とか、
パワーショベル等、出力に比例して車体が巨大化すると
狭い現場で使うのが大変だし、運搬するのも一苦労。
しかし小さいエンジンでは出力も小さいしそれでは仕事にならないから
小さいエンジンで大きな出力が出る物を開発しやがれ。解ったか!
と言う無茶苦茶な要求を突きつける方々が居られ
技術者が彼方此方奔走した結果、車に搭載されたのが
ターボチャージャーに代表される過給器と言われる物です。

読者の方には、ターボ=燃料を強制的・多量に供給=出力向上=燃費は悪化
と思われている方も居られると思いますが、ターボチャージャーは燃費向上に
一役買っているそうです。

私はターボ=出力向上=燃費は悪化。と思っていたのですが調べていると
非常に燃焼効率が高く、
ターボ駆動時には本来の排気量以上のトルクを発して居る為
660ccの軽自動車でも1000ccクラスの性能を獲る事が出来ます。

660ccのターボ軽自動車と1000ccの燃焼効率を比較すると
ターボの軽自動車に軍配が上がる訳と言う事です。
誤解の無いように申しておきますが燃焼効率だけを計測しているので
実際に路上を走っている訳ではありません。
実際に走ると車重や形状による空気抵抗・その他諸々の要因が絡む為
簡単には比較出来なくなってしまいます。

私に限らず、ターボ=燃費が悪い。と言う印象は、設計が古くなり
存在価値が薄れつつあるエンジンにターボを搭載する事で
エンジンの市場価値を延命させた事に端を発するそうです。
これにより古いエンジンでもまだまだ現役で使える様になった御陰で
メーカーは新エンジン開発費用削減と既存のエンジンを市場に
継続投入する事で開発のコストダウンに成功しましたが
設計が古い重くて燃費の悪いエンジンをターボで強引に回していた為
ターボ搭載車=低燃費と言うイメージが定着したようです。
低燃費なのはエンジンが悪い訳でターボは燃焼効率を上げる優れた
機械だという事がこの記事を執筆して私自身初めて知りました。

 

日本におけるガソリンターボ車の性格として、2000cc以下の
「5ナンバー枠」内で2800〜3000cc級並の、また550〜660ccの軽自動車枠で
1000cc並の性能を得る、「節税手段の一種」として用いられる面があり
軽自動車では現在でもその傾向が強く残っています。

特に昨今の軽自動車は剛性の向上等で以前の規格と比べて
重量が大幅に増加しているのですがエンジンの排気量は660ccのままです。

その為、勾配の有る坂等ではターボが無ければアクセルを踏んでも
音がうるさいだけで少しも登坂力が上がらない。
運転手の心拍数はイライラで鰻登りと言う事に為りかねません。

私も以前はノンターボの軽自動車に乗って居り、この時は
軽自動車だから仕方ないわな。と諦めていました。
しかしターボ付きの軽自動車を乗って
その性能差に愕然とし、思わず
こりゃ、ウチのミニと良い勝負するんじゃないか?と言った処、間髪入れず
「あのクソボロと比べる迄もなく今の軽の勝ちだ。バカタレ!」
と罵られたのが未だに鮮明に脳裏に焼き付いています。

件のクソボロミニと言うのは20年以上前の骨董ミニクーパーに
私が彼方此方から取り寄せた精度の怪しい社外パーツを沢山取り付けた物で
大してスピードも出ていないのに振動と社内に響き渡る音だけは
レース車輌に引けを取らない整備士も眉をひそめる車です。

勿論、加工精度って何ですか?と言うような様々な車外パーツの重奏で
居住性を語るどころか車内での会話もままならず
夏は暑いわ冬は寒いわと冷暖房完備のテイストレス(Tasteless)な車です。

まぁ、そんな車じゃノンターボの軽自動車と比べても遜色しそうですが
そんなボロボロ車でも自分の所有はこれしか無い訳で(営業車は普通車)
おまけに加工精度は悪いのに値段だけは呆れる程高い部品を
買い漁った結果、計算すると普通車が簡単に買える位の
出費を重ねた事実が重くのし掛かり、意地で所有しています。

まぁ、毎年そんな車で里帰りして、妻に尻が痛い・耳鳴りがする
気分が悪い・こんな車サッサと捨てろ・私が捨てて来てやるから鍵を出せ。
と罵られながらも恒例巡業のように帰省する季節になりました。

毎年の事ですが渋滞に巻き込まれ眠気が襲ってきたり
イライラで自分でも解るほど運転が荒くなった場合は
早い目に休息を取って心身共にリラックスした状態で
ハンドルを握るよう心掛けて下さい。

それでは来年も宜しく御願い申し上げます。